2018年5月24日木曜日

包丁再生

アウトドアの必需品であるナイフのメンテナンスくらい自分でできるようにならねばならんと張り切って買った砥石。とにもかくにも練習あるのみということで、会社の同僚から使っていない包丁をかき集め、練習すること延べ20本くらい。少しは上手になっただろうか。。その集大成の一品の修理が終わったので、ご報告。

依頼は柄がない少し錆びた小ぶりの出刃包丁だ。

それを荒い砥石を使い、少しずつ研ぎ澄ましていく。
右から荒砥石(番手不明)、中砥(1000番)、仕上砥(6000番)、超仕上砥(12000番)だ。家庭用では1000番~3000番で十分と言われているので、6000番ましてや12000番ともなると、包丁の使い手もそうだが、研ぐ人間の力量も試される

まずは、丸まった刃を出すために荒砥石で刃の形を再生する。2時間ほどでこんな感じだ。上の写真の比べると少し輝きを取り戻しているのが、わかる。

ついで中砥
写真ではわかりにくいが、荒い砥石で削った傷がほぼない。しかし、鈍い輝き。

これが6000番。本体の錆びも落としたため、より綺麗になってはいるが、明らかに刃の部分の輝きが違う。

刃物を研ぐ際は、片側を研ぎまくりと”返り”と言われるひっかかりが反対側(研いでいない方)に出てくる。それが指先で確認できたら、その返りをとるために反対側を研ぐ。これを繰り返し、より鋭利に仕上げていく。この違いが分かりやすいのは、実は僕の感覚では1000番~3000番まで。6000番になると触っても良くわからない。

6000番まで研いだところで、柄の再生だ。この柄は先日行った長野県の木曽で入手した良さげな木。これをカンナやのこぎりで削り出し、仕上げは紙やすりで削る。紙やすりも砥石と同様に3段階に分ける。仕上げ用のやすりを終えると綺麗な木目が浮き上がってくる。
このままでは水に弱いので、保護のためにニスを塗る。

そして錆びにくいように黒錆び加工を施す。

そして最後の仕上げ12000番だ。6000番でもそうだが、研げているのかどうか全くわからない。ただ、見た目は明らかに違い、ぴかぴかと輝いている(残念ながら写真ではわかりにくいが。。。)
肝心の切れ味だが、確かに違う。力を入れなくてもスッと包丁を引けば、切れていく!
しかし、プロの研ぎ師が研いだ包丁(埼玉で入手したもの)に比べると雲泥の差がある。まだまだ修行が足りないようだ。

とはいえ、修理前後で比べてみると差は歴然。やはり練習あるのみだ。