話を単純化するために以下のように設定したが、もちろんこれだけでコーヒーの味が決まるわけではない。以下に記載した条件以外のファクターもあるだろうし、管理項目もある。
例えば、抽出時間などは、早い方があっさりとした味になるが、抽出時間は、圧力、フィルターの細かさの他、豆の細かさとも相関がある。しかし、家庭での製造を考慮した場合、圧力、フィルターの細かさをコントロールすることは難しいため、本研究では定数とした。
また、他にも製造設備(抽出機器)によっても味が変わることが知られている。
↓↓↓コーヒーミル↓↓↓
小型でアウトドアでの使用に最適。セラミック製の歯で粒度を自由に調整可能
↓↓↓エスプレッソマシーン↓↓↓
↓↓↓ベトナム式フィルター↓↓↓
アイスコーヒーなどに最適
↓↓↓ご存じペーパーフィルター↓↓↓
ペーパーホルダーはモンベルで販売されている折り畳み式
ペーパーフィルターの場合だと、油分などがフィルターに吸着され、まろやかなな味になり、一方でベトナムで使われているような金属フィルターでは、 吸着が起きにくいため、雑味(苦味)が含まれることが知られている。
- 原材料:コーヒー豆、お湯
- 重要品質特性(CQA):酸味、苦味、コク
- 重要工程(CP):豆挽き、抽出
- 焙煎は自分でやらないので、原材料管理の一項目とする
- 重要工程パラメータ(CPP)
- 焙煎度
- 粒度
- 硬度
- 湯温
- その他工程
- 抽出前の豆蒸らし
- 初流廃棄
工程
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パラメータ
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ファクター
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弱
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⇔
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強
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焙煎
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焙煎度
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苦味
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浅煎
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⇔
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深煎
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酸味
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深煎
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⇔
|
浅煎
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コク
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⇔
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豆挽き
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粒度
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苦味
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粗挽
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⇔
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細挽
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酸味
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⇔
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コク
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⇔
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抽出
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硬度
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苦味
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軟水
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⇔
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硬水
|
酸味
|
硬水
|
⇔
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軟水
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コク
|
⇔
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湯温
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苦味
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低温
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⇔
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高温
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酸味
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⇔
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コク
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⇔
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こうしてパラメータとファクター、結果を整理してみると、苦味と酸味は逆相関の関係にあることがわかる。つまり、酸味と苦味の両立は困難であり、ファクターを2つに分けることに意味はない。また、コクについては、今回の報告では情報を得ることができなかったが、コクと苦味が相関関係にあれば、意外とコーヒーの味は単純なものなのかもしれない。
つまり、焙煎、湯温、水の硬度を一定にし、粒度だけで思いのままの味を作り出すことが可能となる。
おそらく、そんなに単純なものではないが、本表をベースに試作と試飲を繰り返し、検討を重なるしかないようだ。